【來教寺】

 
 來教寺は毘沙門山と号す。下小川町42番地(現在の東山2丁目14-22)にあり、寺記に延宝四年僧正林(一に松林に作る)の建立にかかるとなせども、皇國地誌には建立を寛永九年となせり。また寺記に、享保中、火災に罹り、舊記を焼失せりとあれども、寛永七年三月十四日、本寺火を失し、凡七百二十八軒に延焼せる趣、松雲公年譜に見ゆれば、享保といふは、寛永七年を誤り傳へるかともいふ。
 本寺の毘沙門は、鞍馬山の毘沙門の分身にして、住僧正林嘗て卯辰山一本松の邊に祀りしが、寛永五年森下町に住める東五兵衛・能登屋佐平等本寺に遷祀せりといひ傳ふ。
(稿本金沢市史より)




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